透析患者様用

当法人では、様々な合併症が起こる透析患者様へのエコー検査体制の充実に力を入れています。検査可能な部位としては、腹部・シャント・心臓・頚動脈・甲状腺(副甲状腺)・下肢動脈、下肢静脈などがあります。特に腹部・シャント・心臓のエコーは”最低でも年1回”の検査を基本としており、必要に応じてさらに短い期間での経過観察も行っています。

当法人検査部では腹部・心臓・頸動脈・甲状腺といった各種エコー検査が行える体制を整えています。

【腹部エコー】

主に腎臓、肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓を中心とした臓器を調べる検査です。腹部疾患の早期発見、経過観察を行う事により、透析患者様の寿命延長の一助となる事を目指しています。特に腎癌の発生率は高く、定期的な検査は必須です。

(後述の“透析患者様の腎癌に関して”をご参照下さい。)

<透析患者様の腎癌に関して>


当法人検査部においては、特に透析患者様の腎癌の発見に力を入れています。透析腎癌の発生率は健常人と比較して41倍ともいわれており、その発見は寿命に直結していると考えられますが、多くの透析クリニックでは検査が充分に行われているとは言えないのが現状のようです。

当法人においては、①定期的(6ヶ月~1年毎)な検査、②スタッフ教育、③高性能な超音波診断装置を使用、等により、近年では年間3~4例(2018~2020年実績、患者様数約550~600名)の透析腎癌を発見しています。

腎癌のサイズに関しても、40mm以下が小腫瘍とされていますが、当法人で発見された腎癌の殆どが数mm~30mm以下の極めて早期での発見となっています。

 

*「第26巻 第1号 2021奈良県医師会透析部会誌」に当法人検査部/前川 唯の論文<当法人における腹部超音波検査による透析腎癌スクリーニングの有用性>が掲載されました。

【シャントエコー】


透析治療を行う上で内シャントは必要不可欠なものですが、狭窄や閉塞などの様々なトラブルが起こります。当法人では、定期的にエコー検査を行う事により、未然にトラブルを避けられるよう心掛けています。また、透析当日に調子が悪い場合などは緊急検査に対応する事も可能です。

【心エコー】


レントゲン写真のように心臓全体の“影”では無く、心臓の内部を直接見る事ができ、詳細な観察が可能となります。透析患者様の主な合併症として弁狭窄(大動脈弁狭窄等)、弁逆流、心肥大、心筋梗塞、等が挙げられ、これらの早期発見や経過観察を行います。

【その他のエコー検査】

頸動脈エコー、甲状腺(副甲状腺)エコー、下肢動脈エコーを必要に応じて行っています。

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